日産の傑作名車 初代F30レパードを解説

シルビアでスペシャルティカーの実績を積んだ日産の更なる挑戦の先は、高級パーソナルカー。

その高級パーソナルカーが、1980年10月に登場した初代レパード(LEOPARD)だった。

1981年に発売された超人気車トヨタのソアラをライバルとして勝負を挑んだ2代目の印象が強いが、実は初代はソアラより早く発売されている。

初代であるF30から4代目のF33まで1980年から2000年まで販売されたレパードの中でも、今回は初代を解説したいと思う。

 

レパードF30のスペック

 

 

 

・全長:4,630mm

・全幅:1,690mm

・全高:1,355mm

・ホイールベース:2,650mm

・車両重量:1,300kg

出典:Wikipedia

○エンジンスペック

Z18型1,770cc 直列4気筒 SOHC 105ps/6000rpm 15.0kgm/3600rpm

Z20E型1,998cc 直列6気筒 SOHC 130ps/6000rpm 17.5kgm/4400rpm

L28E型2,753cc 直列6気筒 SOHC 145ps/5200rpm 23.0kgm/4000rpm

VG30ET型2,960cc V型6気筒 SOHC 230ps/5200rpm 34.0kgm/3600rpm

 

F30レパード 解説

日本が自動車販売数で世界一位になった1980年人誕生したレパード、この車に求められたものはいかに無駄で贅沢であるか。

FRクーペという実用的ではないフォルムに多気筒エンジンを組み合わせることにより、スタイリングだけではなく優雅さを演出。

 

だが後に世に出るソアラはDOHCエンジンで高出力化されており、旧型エンジンを搭載するレパードは、残念ながらパワー不足感と優雅さが今一つ足りなかった。

1984年にフェアレディZ300ZXに搭載したVG30ET型エンジン、最高出力230ps 最大トルク34.0kgmの当時の日本車最強スペックエンジンを搭載した当時のモデルを発売し、ソアラに対抗するが、時は期しておりソアラの牙城を崩すことはでなかった。

これには自動車雑誌の評価がよくなかったことも影響していると思う。

直線基調でロングノーズなスタイルはとても美しく、今だとノスタルジックを感じる良さがある。

重厚な雰囲気を上手くまとめているのが、Cピラーの処理。

細く仕立てられたCピラーは、躍動感を演出し、重厚感に上手くスポーティさをスパイスされている。

 

最先端技術を惜しみもなく投入したレパードは、「燃費計」「フェンダーミラーワイパー」「ドライブCPU」「オートエアコン」「チルト&テレスコピックステアリング」「TVチューナー」「オートボリューム」「オートレベライザー」など多くの技術が採用されている。

最上級グレードには本革シートが標準装備されるため、非常に内装がいいのも特徴のひとつ。

デジタルメーターも採用されたモデルもあるため、宇宙船に乗っているかのような演出がされており、良き時代を感じることができる。

ギリギリ昭和生まれの私は、まだデジタルメーターの車を普通に買う事ができましたが、古くささを感じ、当時は除外していた。

だがこうして時を経てみれば、デジタルメーターも味わい深く、魅力的に感じから実に不思議だ。

また後期には光通信ステアリングが採用されている。

なんだかすごそうなネーミングだが、ただのステアリングスイッチのこと。

今では当たり前のことだが、日産が先駆けで当時は賛否が分かれていた。

 

最後に

 

ソアラに惨敗してしまったレパードだが、国産車初の高級パーソナルカーとして歴史に名を刻み、数々の世界初を搭載したことも間違いなく事実。

ヒットはしなかったが、車好きの人には覚えていてほしい一台だ。

伸びやかなデザインに、現代では考えられないピラーの細さが相まって、非常に美しいフォルムをしている。

日産は当時の技術全てをレパードにつぎ込んだが、そのせいでキャラクターが曖昧になってしまったのが失敗の大きな要因のひとつ。

足し算だけではなく、引き算も重要になるのが車の面白いところだ。

技術の日産らしい車でだったが、レパードは代を重ねても不振に終わってしまった。いやむしろ迷走してしまっていた。

反対に高級パーソナルカーとしてキャラクター造りがしてあったソアラの販売は実に好調だった。

トヨタの販売の上手さが際立つが、ただ日産が下手なだけかもしれない。でもそこが日産らしくこの車の味になっていると思う。

車は便利、全てよければいいわけではないと私は思っている。

全てが平均点以上の車は現代の車だ。だが結果どうだろう。

特徴のない車が多くないだろうか。

ただのエンブレム違いのような車を量産してはいないだろうか。

人間も同じだが、デメリットや弱点がその車の個性なのだ。

我慢を強いる車が実に心地よい。そしてそんな不出来な車が我々の印象に、記憶の残るのではないだろうか。

無駄があり、欠点がある。

この時代の車が思想がはっきりとしており、想いがカタチになっているし、伝わる。

それは現代の車がダメというわけではなく、その時代を感じることができるようになってから名車は誕生する。

昭和の車が伝説になり、平成の車が名車になるように、今の車に付加価値がつくのはしばらく後になるだろう。

それまでこの日産レパードを一度体感してみるのはいかがだろうか。